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文系プログラマによるTIPSブログ

文系プログラマ脳の私が開発現場で学んだ事やプログラミングのTIPSをまとめています。

「IT業界 深刻化する人材不足」に見る日本の旧来型IT企業の罪

IT業界 おまえは何を言っているんだ

IT業界 深刻化する人材不足

独立行政法人の情報処理推進機構が、IT関連の企業を対象に行った調査です。
人材が不足していると答えた企業は、5年前の49%から去年は82%に急増しました。
人材不足のきっかけは、スマートフォン用のアプリ市場の急速な拡大です。
アメリカの調査会社の推計では、国内のアプリの売り上げは去年までの1年間で3倍に広がっています。
膨張するアプリ市場に対し、IT業界では人材確保が追いついていません。

http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2014/04/0424.html

こんなニュース記事が目に入りました。

これ見て、IT業界で実際に働く人のほとんどがこう思ったでしょう。


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はい。お前は一体何を言っているんだ?
皆思ったのではないでしょうか。

日本のIT業界の問題点

キャリアコースが意味不明

日本のIT業界の最大の問題点、キャリアについてです。
一言で言うと日本では所謂技術者は最低辺です。優れた技術者ほど邪魔者扱いされていくのが日本です。欧米のように40〜60代のプログラマなんていたら即リストラ対象になってしまいます。日本は若くて体力があって安くてスキルが無くても構わない技術者を求めていて、格安な人材を人海戦術で乗り切る事を目標にしているように見えます。

この傾向は歴史のある中・大企業によく見られます。
旧来型IT企業のキャリアコースはザックリこうなっています。

1 テスター
2 プログラマ
3 SE
4 プロジェクトリーダー
5 プロジェクトマネージャー
6 管理職
7 経営職

見ての通り、スキルとキャリアに関連が無くなるのが日本式ITです
最初は技術者なのに、自動的に管理職を目指す事を強要される。そして管理職になると技術から完全に離れ、営業職のような仕事をさせられる。少なくとも私が以前在籍していた会社では、こんな意味不明なキャリアコースでした。とにかく技術者である事を止めさせたがるのです。

( ´;ω;`)「実際に手を動かす技術者が足りないの!」
(  ´_ゝ`)「あ、でも5年後はマネジメントをやって現場から離れろよな。」

言ってる事とやってる事が違うじゃねーか

超格安で、ハイスキル保持者を5年前後だけ欲しい!って言ってるんでしょうかね。そして5年後に「ハイ、君はもう現場から離れて管理側に回れよ」ですからね。こんな現場で人材不足と言われてもね。


技術者が足りないといいつつ、マネジメントの方が重要視されて地位が高く好待遇という・・・素直に自分達が管理するための兵隊が足りないと言えばいいのにな。

開発会社に開発を丸投げするのが旧来の日本式IT企業である

某NT◯データなんかがその最たる企業です。
彼らは一切自分たちで開発を行いません。全て下請けに丸投げ。単なる丸投げ会社が日本が誇る代表的なIT企業です。twitter・facebook・amazon等の先進企業が自社で開発してサービスを展開する中、日本を代表するIT企業は下請けを管理するだけ。

そんな会社ばかりの日本で、

日本になぜグーグル、Facebookは生まれないのか

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140216-00000002-wordleaf-sci&p=1

こう言ってもね・・・
生まれないのではなく、生ませないのが日本クオリティ。

マインドの変遷

以前朝まで生テレビの中でソニーの滑落について、こんな言葉を聞きました。

「昔は物作りがしたくてソニーを目指していた。だが今はソニーに入りたくてソニーを目指している。今いる社員はソニーに入りたくてソニーに入った人達。」

なるほど解りやすいです。

昔は↓こうです。

目的 もの作りがしたい!
手段 ソニーに入社する
結果 ウォークマン等が生まれた

しかし今は↓こうです。

目的 ソニーに入社する
手段 ソニーに入社する
結果 社員が安泰生活を満喫。後に超大規模リストラ。

手段が目的になる逆転現象ですらない、手段も目的も「ソニーに入社する」です。
理由は簡単です。知名度は高いし給料は高いし社会的地位が高いから、です。
これはIT大手企業にも言えることです。同じ理由でN◯Tデータを目指す人が多い。

こんなマインドから技術者が生まれる訳もなく・・・


この話はゲーム業界にも言えそうです。

昔は凄い・面白いゲームが作りたくて任天堂に入ってたのに、今は任天堂に入りたくて入っている。結果、面白いゲームが全く生まれず、いつまでもマリオをしている。
昔は凄い・面白いゲームが作りたくてスクエアに入ってたのに、今はスクエアに入りたくて入っている。結果、面白いゲームが全く生まれず、いつまでもファイナルファンタジーをしている。


このマインドの低下はやっぱり景気が関係しているかもな。

どんな企業でもそれなりの給与なら、モノ作りがしたくてソニーを目指す人も再び現れてくれるかもな。

大企業とベンチャー

両者を戦わせた場合、社外の土俵で競わせればそりゃベンチャー叩き上げの方が絶対強いでしょうが、A氏の所属する大企業の中で戦わせたらどうでしょう?A氏は社内の暗黙のルールとか社内政治とか、部署に伝わる代々の仕事の進め方とかハンコのつき方とか関連部署の役職者の卒年次及び学歴とか、そういう自社内の情報を駆使してゲリラ戦を展開し、きっと相手をランボーのごとく討ち取ってしまうことでしょう。

大企業とベンチャー、成長できるのはどっちか?

これは面白い考察だと思いました。

大企業の場合は、競ったらベンチャーに絶対に勝てない。だが自分たちのテリトリーで戦えば勝てる。だからテリトリーから出ない。まるで東京電力の話のようです。彼らがリストラで野に放たれた時、一体どうなってしまうか・・・


ちなみに私は新卒で旧来型IT中小企業に入社し、5年程で退職し、現在ITベンチャー企業で働いています。一応旧来型IT企業とベンチャー企業の両方を経験しています。中小企業にいた頃は「時分も結構スキルついたしいい感じだ!」なんて思っていました。しかし現実は全く違いました。

転職したベンチャー企業では、自分はベンチャー企業の新卒といい勝負をするスキルしか無い事に気づいたのです。いやぁ、思い知らされました。もういい年なのに新卒と同レベルのスキルしか無かったのですから。

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旧来型IT中小企業で過ごした5年間の95%が無駄だったと感じています。残りの5%は電話の応対や社内政治や社会的マナー等です。

プログラム・設計・ネットワーク・上流工程・テスト・勉強...etc、あらゆる技術的要素で、絶対に覆せない技術レベルの差があると感じました。あまりにも差があったので、入社当時は泡吹いてました。ただしベンチャーにも弱点はあります。

ベンチャーの弱点

  • 内製する場合が多いので、外注の仕方が上手くない。
  • 社内ルール等、決まっていない事が多く、未熟な部分が多々ある。
  • 先進技術への投資等も多く、給料は大企業に劣る場合が多い。
  • 悪い意味で学生気分が残っているような幼稚さを感じる。


未熟な面が結構あるな。だがしかし!それはこれから自分達でいい方向に決める事ができるチャンスだと考えると、プラスの面もあるかもなあ。

ベンチャーの誤解

ベンチャーは不安定だ!!という意見が多いですが、不安定さはまるで感じないです。元々ベンチャーは不安定なので、不安定な部分に早く対処しないと倒れてしまうので、結構皆必死で不安定さを取り除く努力をします。なので、思ったより安定しています。流石に社長がFXで会社のキャッシュを全部溶かした、等は除きます。

他にも、ベンチャーは時分からグイグイ行かないと生き残れない!!というのも嘘なんじゃないでしょうか。決して放置されたり除け者にされたりしません。そんな事したら会社が倒れてしまいますから、皆必死で支えます。


旧来型IT中小企業にいた時の方が不安定を感じました。誰も危機感を感じていない。誰も動こうとしない。小さな事業部が1個まるまる消える程の人が退職したりしました。結果、その会社は株式を50%取得されて子会社化され、親会社からITについて全くしらない謎の役員が送り込まれてきたり、高額な家賃のオフィスに入居させられたり、親会社にいいようにされていました。ボロボロにされてからようやく動き出す、恐ろしい程の腰の重さでした。


旧来型IT企業に未来なんて無いな!!バーヤバーヤ!


お前はまず就職しような・・・・

続いて旧来型IT中小企業側も考えてみます。

(私が所属していた)旧来型IT中小企業のメリット

  • 給料はそこそこ。(だが決して高くはない)
  • 一応上場企業。
  • N◯TデータやN◯C等、所謂旧来型のIT大企業と関われる。(4次受け・5次受けですが)
  • ぽへー、と過ごしても生き残れる。(プロジェクトが炎上するかは別の話)
  • 強制的にマネージメントに関わる事になる。


昔築いた資産のお陰でそこそこの待遇だな。しかし最近の技術の進歩に全くついていけてないから、ジリ貧になるのは避けられないな。

旧来型IT中小企業のデメリット

  • 技術レベルはベンチャーの10分の1以下。旧来型IT中小企業の5〜10年戦士はベンチャーの1〜2年戦士といい勝負。
  • 先進技術に関われない。非効率と解っていても保守性が重視され、非効率を続ける。
  • 現状を打破する空気が職場に無い。誰かが変えてくれる事を皆望んで結局何も変わらない。
  • 目標を掲げる事が目標になるので、誰も達成しようと本気にならない。
  • リストラされて野に放たれたら、スキルが無い時分は転職できないのではないか、という強烈な不安を持つ。
  • 内製もスキルの点から中途半端、外注も中途半端。全てが中途半端で低いレベル。


変えたくても変えられない現場。その現場を変えるより、別の現場に転職した方が速い場合が多いから、人材流出が止まらないんだよな。そういう企業ほど「技術者が不足している」と言いがちかもしれないな。

雑感

最近は日本でもDeNA・グリー・サイバーエージェント・クックパッド・ServerWorksなど、ベンチャー企業が強くなってきています。待遇も旧式大企業を超える場合も多く、旧帝大は旧式大企業よりそれらを選ぶ事も多くなっているようです。

DeNAやグリーは、表の面を見るとペラペラのハンコゲームだけを作っているように見えますが、裏側は全く違います。壮絶なトラフィックを捌くために先進技術を駆使し、物凄い作り込みをしています。生産性を上げる為の努力も相当なものです。その辺りは各社のdeveloper'sブログを見ると解ると思います。


IT業界だけでなく、ソニー・パナソニック・シャープ等が代表的な滑落旧式大企業ですが、技術を大事にしない事も起因し、次々と超大規模なリストラをして改革を起こそうとしています。この辺りの旧式大企業が沢山倒れてくれれば、日本からgoogleやamazon級の企業が生まれる可能性があるかもしれませんね。


DeNAもグリーも東証一部に上場する程の企業規模になり、旧来型中・大企業も顔負けの様相を呈しています。よほど頑張らないと既存資産を食い潰して死滅する可能性がある旧来型企業。さて、旧来型企業の未来はどうなるのでしょうか。