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文系プログラマによるTIPSブログ

文系プログラマ脳の私が開発現場で学んだ事やプログラミングのTIPSをまとめています。

「IT技術者が足りない」の嘘と真実

おまえは何を言っているんだ

またこの手の記事です。
IT技術者が足りない?需要増大、大型開発案件山積…新3Kの業界イメージで志望者減も(1/2) | ビジネスジャーナル

こういう記事を見る度に思います。


建前ばっかりで本音を言わないよねあななたち!!

この記事について、個人的な見解を述べてみたいと思います。
(記事への批判ではなく業界全体への批判です)

●理系離れが進み、自社教育や中途採用で対応

しかし、そうした教育機会を設けるためには、ある程度体力がなければならず、大企業か少人数で細かく面倒が見られる環境がある企業となるだろう。

これは相当な確率で当て嵌まらないでしょう。
大企業はそもそも技術者は採りません。採るのは未来のリーダー候補です
所謂マネージャーですね。マネージャーとして下請けに丸投げし、それを管理して貰う人材を育成するのが大企業です。まるでNTTデータのようですね。


あれ?我々が管理する下請け企業がいないぞ??自社で開発なんてできないから、丸投げしないと仕事にならないんだよなあ

自社での育成をあきらめ、即戦力の中途採用に頼った企業では、実力はあるがコストもかかる中高年ばかりのいびつな集団になるという問題も起きている。

これは酷いですね。中高年はNGのようです。
つまりこう言いたいのでしょうか。


うちに忠誠を誓ってくれて、最新技術を沢山習得してて、人海戦術が通用する若さを持っていて、単価が激安な子が欲しいんだよね〜

●必要なスキルを持った人材の不足

スマホ向けのアプリを開発する場合、複数プログラミング言語を使いこなす人材や、新しいフレームワークに対応できる人材が求められる。ほかにも、ユーザーの要望を受けて迅速に修正したり、飽きられないように頻繁にアップデートしたりと、リリースした後にも対応が必要とされる。

これは2通りの問題が考えられます。

1,フルスタックエンジニアを求めている

フルスタックエンジニアというのは所謂バズワードです。(バズワードとは、一見説得力があるように見えるが具体性がなく明確な合意や定義のないキーワードのこと)

少し前に話題になったフルスタックエンジニア。営業できて、プログラム書けて、設計できて、要件定義できて、デザインできて、マネージメントできるような人の事を言うそうですが、結局のところ、これができたらフルスタックエンジニア!!という定義が無いので、何となく凄そうな人をフルスタックエンジニアと呼んでいるだけなのですよね。

あなたの会社に、こんなスーパーマンのような凄腕フルスタックエンジニア様はいらっしゃいますか?google等にはいるかもしれませんね。日本の一般的なIT企業にはほぼいない人種です。そんな人材の育成されてませんから。

更にこれもネット上でよく言われている事ですが、


仮にフルスタックエンジニアがいたとして、そんな凄い人があなたの会社に面接を受けに行く訳がない。そんな人は起業するかフリーランスになっているよ

と。これは最もな意見です。そんな凄い人がわざわざ激安・悪条件な劣悪な環境に身を落とす訳がありません。

つまり、いない人達を必死に探しているのです。

2,納期短縮と品質保持を両立するスキル保持者が少ない

これは今皆さんが直面している問題だと思います。
ITの活用が異常な程進み、それに伴いビジネスの量とスピードが非常に早くなってきています。

今までは


ビジネスのスピード感的に、この納期では駄目だ。しかし今までの歴史と経験を鑑みると品質を保持できない場合がほとんどだ。ならば想定よりスケジュールが伸びる事も容認しよう。

という経営者が多かったのですが、最近それが通用しなくなってきています。
様々な新技術の台頭によって、それらが徐々に実現可能になってきており、より競争が激化しているためです。その新技術とは、例えば以下のような事を指します。

  • jenkins・travis等のCI活用によって開発のサイクル速度をアップ。
  • git+gitflowによってバージョン管理を最適化し、複数プロジェクトの同時進行を破綻させにくくする。
  • github enterpriseによってプルリクエスト等、開発のフローを改善。
  • vagrant・dockerによって仮想OSを高速に大量に作成できるようにする。
  • chef・ansibleでOSにソフトウェアをインストールし、ユーザ作成や権限設定する作業等を自動化。
  • capistrano・fabricでデプロイを自動化。
  • seleniumでUIテストを自動化してクロスブラウザにも対応。
  • AWS・GCEによってインフラ準備の高速化と低価格化を実現。
  • AWS・GCEによってオートスケールし、今まで負荷でダウンしていた機会損失をなくす。
  • sensu・icinga等によって、オートスケールしたサーバの監視も自動化。
  • fluentdによってログを一箇所に収集+json化し、ビッグデータ?として活用。

言葉にするのは簡単ですが、この辺りは枯れた技術ではなく新しい技術なので、習得している技術者が圧倒的に少ないのです。

世界的に見てもまだ新し目の技術ばかりなので、習得者は少ないでしょう。


今までインフラ屋さんがこの辺を大体やってたけど、それがアプリ開発屋さんの領域にシフトしてきてるので、インフラ屋さんは「AWS移行支援!」等と支援系に方針転換していますが、ジリ貧な模様です・・・


アプリ開発屋さんの身にもなれよ・・・一気にこんなに覚える事が増えたんだぞ・・・「インフラ屋さんのせいだから〜」って逃げる事もできなくなってるんだぞ

●国策としてのIT教育と海外の活用

海外人材をうまく活用しつつ、国内人材を育成する。そして、属人的であったり、非効率的であったりする部分を是正し、労働環境を整え、効率的かつ働きやすい業界とすることが必要だろう。

これは解決策ではなく一時しのぎですね。
しかし大分前からこの一時しのぎが行われ、日本のIT業界の空洞化が激しく進行しています。

ほとんどの企業が安さの誘惑に勝てずオフショアを選択するので、日本国内のIT技術者の需要が減り、IT業界を目指す学生が減ります。

雑感

これは私の見解ですが、
IT技術者が足りないというのは、実はスキルの足切りラインが高すぎてほとんどの技術者を見ていないから、いないように見えている?
のではないかと思っています。いるんですよ技術者は。それも沢山。しかしスーパーマンを必死に探して「見つからない!」と言ってる場合がほとんどではないでしょうか。

本当に技術者が足りないのか・・?

私は思います。

何故DeNAで人材不足が騒がれないのか?
何故グリーで人材不足が騒がれないのか?
何故サイバーエージェントで人材不足が騒がれないのか?

何故彼らは有名大企業を跳ね除けて台頭してきているのか?

彼らは自社で全てを簡潔させる術を持っています。
かなり規模の大きいサービスも沢山展開しています。
協力会社に投げている仕事も沢山あるでしょうが、間違いなく全てを自製する能力を持つ会社です。

一方人材不足を騒ぐ企業はどうでしょうか。
彼らに自製する力はあるでしょうか。

結局のところ、台頭してきた新興IT企業に人材が集中し始め、人材不足を叫ぶ企業に人材がいなくなってきたのではないかと思っています。

IT業界を目指す学生の大部分は、技術者になりたいから志すと思うのです。
しかし大企業に純粋な技術者はほぼいません。いるのはマネージャーばかり。
これに気づき始めた学生達が「この会社入っても技術者になれないな。DeNAとかグリーなら会社の7割位は技術者だし、報酬も大企業以上だからそっち目指す!!」と変化していきます。

IT業界を志望する学生は確かに減っているかもしれませんが、減ってきているのは技術者になれないIT企業であって、DeNAやグリー等は増えています。世界的にも全てを自製する企業が台頭してきており、今までのようにマンモス企業が上に立って、下請けに投げまくる時代が終焉を迎えようとしています。そういった古代ITはもはや官公庁系の仕事しかなくなりつつあります。

こういった時代錯誤にも人材不足を叫ぶ原因の一因ではないのか、と私は考えています。

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