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文系プログラマによるTIPSブログ

文系プログラマ脳の私が開発現場で学んだ事やプログラミングのTIPSをまとめています。

「上流エンジニアなんて死んじまえ」を読んだ感想

IT業界

上流エンジニアなんて死んじまえ というエントリーを読んだ感想を書いてみます。



このエントリーの概要は、

  • IT業界は元請けが下請けに対して立場強すぎる
  • クソみたいな上流設計のせいでパフォーマンスの半分も引き出せてない
  • なにが上流だよ偉そうにしやがって

という事を嘆いているエントリーです。

上流とか下流とかいう言葉出てるので間違いなくSI業界の話だと思います。

概ねスレ主の言うことは正しいと思いますが、1点気になった部分がありました。



なにが上流だよ偉そうにしやがって



ここです。ここがひっかかりました。

この「上流」と「偉そう」という言葉について、考えてみようと思います。

上流=偉い、下流=偉くない

と思っている人がいると思います。

これ、そういう意味の言葉じゃないんですよね。

f:id:treeapps:20150508154404p:plain
illust. by 春のイラストNo.115『春の小川』/無料のフリー素材集【花鳥風月】

イラストで見るとこんな感じで、山の上の方が上流、山の下の方が下流です。

これは、↓こう言えるんでしょうか。
f:id:treeapps:20150508154642p:plain

偉いから上流、偉くないから下流、なのではなく、フロー(流れ)の最初を上流、それ以降を下流と呼んでいるのです。ここを勘違いして、「上流なんだから上流エンジニアの俺様は偉い!下流のお前らは奴隷!」とか考えるアホがいたりします。

もし「上流だから偉くて凄い」という理屈が正しいなら、例えば↓こうだった場合、

上流 中流 下流
発注会社:無名の零細企業 受注会社:無名の零細企業 下請け会社:Google社

発注会社が最強に偉い?凄い?それとも無名零細の受注会社が偉い?凄い?違いますよね。この場合どう考えても「凄くて偉くてお金持ち」なのは最下流の下請け企業であるGoogle社ですよ。上流だから偉くて凄い訳ではないですよ。そこを履き違える人が結構いるから、スレ主のように「なにが上流だよ偉そうにしやがって」という意見が出てしまうのかもしれません。

雑感

「上流エンジニア」とかも怪しい単語ですね。スキルが高いという意味の上流なのか、フロー的に最初の仕事を担うエンジニアなのか。言葉だけ聞くと「上流?スーパーハイスキル保持者で超高待遇のエンジニアなんだろうなあ」とか想像しがちですが、さて、一体どうなんでしょうね。

「上流工程」という言葉も同じです。下流より高度な工程だから上流と呼ぶのか?スレにも書かれていますが、上流工程は基本的に顧客との折衝がお仕事であり、下流工程はプログラムを作る工程で、仕事の内容が全く違います。一概にどちらが凄いとか偉いとか難易度が高いとか、言えないものです。

このエントリーのコメントには「お前らは黙って仕事降ってくる立場だろうけどさあ」とありますが、仕事を持ってきた方が偉いの?違うでしょ。「仕事を取ってきた人」と「恐ろしい程の効率でほぼバグも無く高いパフォーマンスが出るよう実装したエンジニア」のどちらが偉いかなんて、単純に比較できるものじゃないでしょ。「1人で1000万円の仕事を取ってくる営業」もいれば、「営業無しにアプリを開発して広告収入で1億円を生み出すエンジニア」だっているんですよ?もし単純に仕事を取ってきた人の方が凄くて偉いんなら、会社の創業者より営業の人の方が偉い事になりますよ。そんな風に上流と下流がお互いに「お前らは◯◯だからクソ」とかうんこ投げ合ってるから、「本当にクソみたいだなSI業界って・・・・」とSI業界から離れる人が増えてしまうんですよ。

SI業界はこういった縦割りが非常に激しいので、どうしてもゆがみ・ひずみが生まれてしまうんですよね。そしてそれがこの業界を萎縮させ続ける大きな要因となっています。構造的にそうなってしまっているので、国がその構造を叩き壊さないともうこれは改善しないレベルなんですが、利権の問題からそれは絶対に無い、という、カオスで無秩序で理不尽で再起不能なSI業界。さて、次はどんな悲劇を生み出してくれるのでしょうか。

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