文系プログラマによるTIPSブログ

文系プログラマ脳の私が開発現場で学んだ事やプログラミングのTIPSをまとめています。

宅配便の再配達と宅配ボックスの残念な現状

今回のお題は宅配便における「再配達」と「宅配ボックス」についてです。


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http://www.asahi.com/articles/ASH653QY5H65ULFA00B.htmlwww.asahi.com

この記事を呼んで、最近とある面倒な事が起きたのを思い出しました。

宅配ボックスでちょっとした事件が・・・

私は賃貸住宅に住んでおり、宅配ボックスがあります。

先日amazonでちょっとした買い物をして、「できるだけ速く届けて欲しい。けど明日は平日。ま、宅配ボックスがあるからいいや」なんて楽観的に考えていました。

そして帰宅し、いざ宅配ボックスで部屋番号をピポパすると・・・



宅配ボックスは空でした



郵便受けには配達完了票が入っており、3番のボックスに入れたと書いています。これはもう「なんだこれなめてんのか」と思いました。そこで私はまず問題を切り分ける必要があると思い、以下の行動を起こしました。

  • ゆうちょにTELし、対象の荷物が配送センターに確認。センターに有るようなら荷物はそもそも発送されていない。
  • TELの結果、発送済みであると確認。つまり発送後に誤って別の部屋の人に届けた可能性がある。(宅配ボックス投入時のオペレーションミスの可能性)
  • センターの人が実際に配送した担当者に連絡を取り、確かに私の部屋番号でボックスに投入したと判明。(ボックス投入時に投入記録票みたいなのが出るのでそれで解ったと思われる)

発送済なのに宅配ボックスは空である」という事実が解りました。これは一体どういう事か?理由は簡単でした。

宅配ボックス内にたしかに荷物が置かれたが、手前に置きすぎた為、センサーが荷物が入っていないと認識していた」のでした。どうやら手前に置くとダメっぽいようです。

センターの方、配送担当者の方、マンション管理人の方、この3人にわざわざ動いて貰ったのにこんな事が原因だったとは、ちょっと申し訳なく思ってしまいました。でも仕方無かったのです。最短で荷物がどこにあるかを知るためには、この方法が最も効率的だったので・・・ごめんなさい。

こういう時日頃プログラムのバグと戦ってる経験が訳に立つなと思いました。バグの原因追跡と全く同じ事ですからね。可能性的には「管理人に言ってボックスを開けて貰って自分の荷物が入ってないないか確認する」が一番速いんでしょうが、バグというのは想像もしない事が起きるので、常識を捨て去る必要があります。

郵便受けに投入された配達完了票は、実は別の荷物の票で、対象の荷物はボックスが一杯だった時に実はセンターに戻っているのではないか?完了票は正しいが、別の部屋宛でボックスに投入し、部屋番号を間違えた事に担当者が気付かなかったのではないか?等の可能性があるため、1から順序立てて可能性を潰していく必要があります。

バグというのは闇雲に探そうとするより、順序立てて潰していくのが速い場合が多いのです。

宅配ボックスの不満

この件とは別に、私は宅配ボックスに大きな不満を持っている事があります。それは、

宅配ボックスが一杯な場合が多く荷物が受け取れない場合がある

点です。では何故一杯なのか。これも答えは非常にシンプルなものです。「荷物をずっと宅配ボックスに放置する人がいるから」一杯になるのです。出張等でしばらく自宅にいない人の荷物が宅配ボックスに長時間置かれたりする等で宅配ボックスが一杯になります。

宅配ボックスのこの問題、なんとかなりませんかね。以前数ヶ月間に及んでずっと一杯だった事があり、これはもう宅配ボックスのシステムが根本的にダメだな、と思う事もありました。

例えば宅配ボックスに荷物がセットされてからそのボックスに入れておける期間を設け、その期間を過ぎたらアラートがマンション管理人に通知され、強制的に管理人室にその荷物が入れられる、といった強制排出の仕組みが無いと宅配ボックスが一杯になってしまい、たった一人の問題児が原因で居住者全体に迷惑をかけてしまいます。

それが例え「荷物がきていた事を忘れてた」等の安直な理由であったとしても、やはり強制排出機構が欲しいところです。まあ多分マンション管理会社のコストの採算が合わなくなるから実現しないでしょうけどね。

配送業者の不満

記事冒頭で紹介した「宅配便の2割が再配達、減らしたい… 業界など検討会」の件ですが、私も不満に思っています。

私の推測になりますが、今の配送システムは「ネットショッピングがまだ一般化されておらず、専業主婦が一般的で、大体自宅に人がいる時代を前提としたシステム」なのではないかと思います。

今はネットショッピングが一般化しているので、宅配の機会は劇的に増えています。更に専業主婦も減り、「宅配機会が増えたのに自宅に人がいない状態が増えた」と言えるのではないでしょうか。

なので、再配達の機会が増えて宅配業者が困っているのだと思います。荷物を受取る側としては「平日荷物が受け取れない事ぐらい解るだろ?宅配業者はアホなの?」とか考えると思いますが、宅配業者側もアホではないので、それを知りつつ届けに来ているのでしょう。

有給で平日自宅にいたり土日仕事で平日休みの人がいたりするので、届けに伺うしかないのでしょう。

この問題を解決するため、私は宅配業者のシステム側に「平日不在オプション」が欲しいと思っています。そして不在時の振る舞いを決める事が可能にします。この平日不在オプションは「基本的に平日は不在なので、直接の受け取りはできません。なので代わりに振るまい設定を行って欲しい」というものです。この振る舞いは以下のようなものです。

  • 宅配ボックスが有る場合、インターホンで「宅配しにきましたよー」通知は不要。宅配ボックスに直行してOK。(通知が欲しければネットの業者ページ宅配完了通知をonにすればいい)
  • 宅配ボックスが無い場合、自宅への訪問は不要、直接コンビニ受け取り等、他所に届ける。
  • 宅配ボックスが無く、更にコンビニ受け取り等が不可な地域の場合、そもそも平日に訪問は不要。休日の指定時間に伺う。

ここで前述のように「宅配ボックスが一杯で再配達が発生する」可能性があるので、「再配達は最大1回のみ」と制限事項を設け、上限をオーバーしたら配送センターに戻され、一定期間再配達を依頼しなければ自動的に送り主に戻される、等の制限を設けていいと思います。日本の宅配業者は他国と比較して優しすぎるので、もう少し上限を厳しく設定して、荷物を受取る側の甘ったれた意識も変わるでしょう。

これらを「デフォルト設定」とする事で、基本的に平日自宅に人がいない場合の再配達機会を減らせて宅配担当者の負担も減らせるかなと思います。単に私がそういう機能が欲しいだけなんですけどね。。

雑感

宅配システムの最適化が必要になる程宅配環境が変化した、という事なのですね。ネットショッピング、特にamazonが色々な常識を破壊し、超短時間で宅配する仕組みを作って佐川急便がamazonから撤退したり、米国でドローン宅配が実験されたり、宅配環境がここ10年くらいで大きく変わったように思えます。

私的には宅配ボックスのシステムを先になんとかして欲しいなあ、と思ってます。宅配ボックスを長期間占領するアホに有利なシステムですからね。もしかしたら、実はボックスに荷物を入れているのはそのマンションの居住者で、宅配ボックスを物置にしてるんじゃないか?とすら思ってるんですが、実態はどうなんでしょうね。

今後もamazonによく宅配環境の破壊が行われるでしょうから、宅配業界も頑張って欲しいですね。