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文系プログラマによるTIPSブログ

文系プログラマ脳の私が開発現場で学んだ事やプログラミングのTIPSをまとめています。

「大至急」という言葉は無能さのバロメーターになり得る

仕事

そのうち誰も相手にしてくれず孤立します
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皆さんのまわりに「大至急」という言葉が大好きな人っていますか?今回はこの大至急についてがお題です。

私は「大至急」という言葉を多く使えば使う程、「私は無能です」と言っているようなものだと思っています。

まずはいくつか大至急のパターンをみてみましょう。

大至急パターン

主な登場人物

( `Д´)

名前は「大至急(ダイシキュウ) 太郎(タロウ)」。彼は大至急という言葉が大好きである。大至急と言いすぎて狼少年状態で会社で孤立している。彼が1日に発した「大至急」という言葉を数えたところ、カウンターストップしたらしい。

(;´〜`)

名前は「損名野(ソンナノ) 無理駄(ムリダ)」。彼は大至急太郎の部下で、いつも大至急太郎から「大至急」と言われている。

( 上司)

大至急太郎の上司。

( -_- )

損名野の同僚。同僚A。

大至急太郎の上司。

大至急の理由を説明しないパターン

( `Д´) 「おい損名野!これ今日中にやっといて!大至急!」
(;´〜`) 「え?何をすればいいんですか?」
( `Д´) 「同僚Aに聞け!アイツなら解る筈だ!急げ!大至急!大至急ぅぅぅぅ!」
(;´〜`) 「同僚Aさん、大至急太郎さんから◯◯を大至急やれって言われたんですが、内容を同僚Aさんに聞けって言われたのですが、知ってますか?」
( -_- ) 「ああ、あれね。でもこれ急いでも全く意味ないよ」
(;´〜`) 「え?でも大至急さんが大至急って・・・」

このように、「何故急ぐのかを説明しない」パターンがあります。このパターンの人は、理由なんて無い、急ぐのが当たり前だから等と特に理由もなく大至急と言っているだけの可能性があります。急いで仕事しても「あっそう。そこ置いといて」と興味無さそうに返され、1週間その資料が放置されている事に気づき、実は全く急ぐ意味が無かった事を知って怒りを覚える、なんて事もあります。

枕詞パターン

( `Д´) 「これやっといて!大至急!」
( `Д´) 「これ見積もりくれ!大至急!」
( `Д´) 「はやく直せ!大至急!」

とりあえず言葉の末尾に「大至急」という言葉をつけているだけのパターンです。そういう人は、↓こういう事です。

( `Д´) 「今日天気いいな!大至急!」
( `Д´) 「眠いな!大至急!」
( `Д´) 「腹減った!大至急!」

このように、言葉の末尾に大至急とつけているだけで、実は大至急でも何でもない場合があります。このパターンの人は、とりあえず大至急と言っておけば、周りが勝手に頑張ってくれて、自分にとって良いこと尽くめだと安直に考えている可能性があります。

急かして遅れを取り戻すぞパターン

( `Д´) 「FAXピポパっと」

「大至急見積もりくれ。すぐに必要だ。急いでくれ。」

(;´〜`) 「お、FAXだ。・・・なんだこれ・・・大至急かよ・・」
(;´〜`) 「ぜぇ・・ぜぇ・・・で、できた。結果を返信っと・・・」

・・・1週間音沙汰無し・・・

( `Д´) 「依頼してたの忘れてた。やべえもう時間ないわ。なんか期待してたのと違うから返信すっぞ。FAXピポパっと」

「想像してたのと内容が違う。今すぐにやり直せ。急げ。大至急だ!」

(;´〜`) 「・・またFAXか。・・・おいおい、急いでるって書いてたのに1週間音沙汰ないじゃん。急ぐ気ないだろこれ・・」

このように、自分は相手を急かすのに、当人が急いでいるようには見えないパターンがあります。このパターンの人は、自分の仕事の遅れを相手を急かして取り戻そうとしている可能性があります。

五月雨大至急パターン

( `Д´) 「損名野、これやって!大至急!」
(;´〜`) 「は、はい。」
・・・30分後・・・
( `Д´) 「損名野、これもやって!大至急!」
(;´〜`) 「は、はい。」
・・・30分後・・・
( `Д´) 「損名野、それもやって!大至急!」
(;´〜`) 「・・・・(なんで五月雨で依頼するんだ。まとめてくれれば効率よくこなせたのに)」

このように、五月雨で次から次へと細かく依頼してくる人がいます。このパターンの場合、効率の問題じゃない!仕事とは常に全力で急ぐものだ!そうしていく事こそが最大の努力である!、等と精神論を振りかざしているだけの可能性があります。

left to rightパターン

( 上司) 「大至急太郎君、これをやっておいてくれたまえ。」
( `Д´) 「は、はい!」
( `Д´) 「おい損名野!!これを今日中にやっておけ!大至急だ!!!」
(;´〜`) 「は、はぁ・・・」

このパターンは、単に上司から依頼されたのでそれを左から右に流しているだけです。しかも急いで結果を出せば上司からの評価が上がると安易に考えている可能性があります。

矛盾パターン

( `Д´) 「おい損名野、これ大至急できないか?無理なら来週でもいいから!」
(;´〜`) 「??????(来週でいいって・・・急いでないだろお前)」

大至急と依頼しているのに、来週でも構わないと矛盾した事を発するパターンです。このパターンの場合、時間の感覚が分からなくなっている可能性があります。

普通とは一体……うごごごパターン

( `Д´) 「おい大至急見積もってくれ!明日中に必要だ!」
(;´〜`) 「それでしたら見積もるのに大体1週間程度必要になります。」
( `Д´) 「はぁぁぁ!!??普通1日でできんだろ!!お前馬鹿だな!もうお名前には頼まない!!!」

普通の 法則が 乱れる!

このパターンの場合、自分の経験則がこの世全てに通用すると考えている可能性があります。

大至急は何故無能なのか

さて、簡単に大至急パターンを見たところで、何故大至急が無能なのかを考えてみます。

「大至急」はスケジュール管理を放棄している

物事には目標があって、その目標に到達するために計画を練ります。それが例え短期間であっても、「いつまでに完了しておきたいか」という期日を設定し、そこから逆算して、いつまでに何をしておかないとならない、といった事を検討します。

「大至急」という言葉をそれを吹き飛ばします。いつまでに何をするかを一切考えず、「単に全部急げば期日に間に合う筈」という浅はかで計画性の無さを露呈しているだけなのです。

全て大至急という事は1つも大至急のタスクが無い

全て◯◯というのは一つも◯◯ではないと言い換える事ができます。例えば「何でもできます!」という人は「何にもできません!」と言い換える事ができてしまいます。本当に何かができるなら「◯◯ができます!」と言います。

それと同様に、全てのタスクを「大至急」と表現することは、一つも大至急のタスクが無いと言い換える事ができます。タスクというものには優先度があって、先にやっておくもの、後でも構わないもの、等を切り分けて優先度を付けます。そうしてタスクが流れるように消化されるようなスケジュールができます。

全てが大至急の場合、優先度が無いと言っているようなものです。優先度が無いと言うことは、本当に急いでいるものは一つも無いのです。どれから始めてもいいし、期日に間に合えばそれでいいということです。結果としてスケジュールが遅延する可能性が大幅に上がります。

自分の計画性の無さを他人に押し付けている

大至急を口にする人は、大抵「相手は急がせるけど、自分は急げない」場合がほとんどなのではないでしょうか。自分の仕事の効率の悪さや段取りの悪さで遅れたスケジュールを取り戻そうと、相手を急がせる人がいます。大至急回答したのに、数週間放置するなんて事もあります。

有能な人ほど大至急と言わない

有能な人は突発的な急ぎのタスクが現れても、期日の設定と逆算したタスク消化スケジュールを瞬時に考え、メンバーにタスクを振り分け、トラブルを乗り越えます。不用意にメンバーを急がせないようにし、効率よく無理のないようにタスクを捌ける状態を作り出します。すると「大至急」等と言う必要が無くなるので、大至急という言葉を口にする事はありません。

一方無能な人は、全て大至急のタスクを設定し、「全部急げ!」等とスケジュール管理を開始早々に放棄し、丸投げ状態を作り出します。当然現場は混乱し、スケジュール遅延します。そして遅延しても「急いで!急いで!今すぐ!大至急!」とメンバーをまくしたてるばかりで、何もしません。正確には何もできないから、急かす事しかできないのです。

評価されるのは大至急と言わない方

( `Д´) 「お前たち!大至急このタスクを片付けろ!!急げぇ!今すぐだ!!大至急ぅぅ!!!」

(;´〜`) 「急いでいる時程冷静に計画をたてるべきだな。期日を◯日に設定して、あのタスクを優先して・・・・」

さて、あなたが評価する立場であった時、どちらを評価しますか?急げ急げと急かすだけで無計画な大至急太郎に対して、損名野は記事と優先度付をして冷静に捌こうとしています。

大至急太郎の方は無計画なので、上司への報告も「大至急対応しました!」と中身がすっからかんになってしまうのに対し、損名野の場合はチームのメンバーがどういう日程でどう対応したのかがはっきり見える状態になっています。中身が見えない大至急太郎の方は困難な局面だったのかどうかすら解らないので、評価のしようがありません。一方損名野の方は解りやすいので評価できるポイントがある筈です。

上司の評価だけでなく、チームのメンバーからの評価も大きな差がつきます。無意味にメンバーを急がせて無理をさせ、マイナス発言を大声で連呼するだけの大至急太郎はメンバーからの信頼を完全に失います。一方損何野の方はメンバーに対して今どんな状態で、誰が何をどうするのかが見える状態だったので、メンバー同士で協力しあう事もでき、メンバーから信頼も向上しているでしょう。

こんな事があったら要注意

  • タスクの優先度全てが「至急」や「急ぎ」しか設定しない。
  • 定期的に音沙汰が無くなり、ある日突然大至急と依頼をする。
  • メールの件名に「大至急」等と付けてしまう。
  • 枕詞が「大至急」。
  • 我が社は「急ぐ社風」です。

こんな場合は要注意です。IT業界の場合は、redmine等のタスクが全部「急いで」等となっている人は確実に「大至急先輩」です。

大至急合戦

B to Bの場合にクライアントに担当者が複数人いて、その方たちが全く連携せずにタスクを投げてくる場合があります。

例えばクライアント担当者の1人目が「大至急!」とタスクを投げてきているが、他の担当者は優先度を「普通」でタスクを投げてきているとします。こちらとしては1人に目が「大至急」なので、それを再優先で作業し、他の担当者のタスクの優先度を下げます。1人目が大至急パイセンなので段取りも最悪で手戻りも非常に多く、他担当者のタスクのスケジュールが遅延します。

こちらが「大至急パイセンからのご依頼が大至急に設定されていたので」と説明すると、他担当者は納得します。が、次回から様子が変わりました。大至急パイセンがいつも「大至急」でタスクを投げてきて自分のタスクの優先度が下がる事を心配し、他担当者も自分のタスクの優先度を下げられないように我先に「大至急」タスクしか振らなくなりましたとさ。

一見するとクライアント側の連携が取れていないのが問題だ、と片付けてしまいたくなりますが、クライアント目線で考えると見えてきます。向こうでは「大至急パイセンが現場をかき回しているせいで皆困っている」事が想像できますね。大至急パイセンにはそんな連携等無縁で、自分が常に最優先です。そんな人と連携する事は無理なのでしょう。そして段々と他担当者さん達は諦めムードになっていきましたとさ。

大至急と言われたら

大至急の理由を説明して貰おうとしても無駄な場合がほとんどです。そもそも管理ができないから「大至急」と口にしているので、急ぐ正当な理由をまともに説明できません。

大至急と言われた場合は、いつも通りに仕事をすればいいのです。相手は「大至急」という言葉に安心感を覚える場合が多いので、いつも通りのスピードで仕事をして「◯◯様のご依頼だったので、特別に大至急対応させて頂きました!」等とプレミア感を醸しだして返すだけで満足してしまう場合もあります。そもそも大至急仕事をしてまともな品質になる訳がないので、いつも通りの仕事をすれば、結果としてそれが最速で高品質になる場合がほとんどです。どうしても正当な理由があって急がざるを得ない場合は、◯◯という要件を削るか、ここを次期フェーズに遅らせる事ができれば速くなります、等と条件を付けて交渉するといいかと思います。

↑のように対応しましたと上司に報告して、もし上司が「もっと急げるだろ!大至急ぅぅぅ!」と返してきても「この作業は十分最適化されており、これ以上急ぐと不用意に品質を劣化させるだけでクレームが来ます。仮に急げてもコストに見合いません」等と冷静に感情的にならずに返しましょう。それで上司が納得しないのであれば、某企業の「チャレンジをお願いしたい」のと同じなので、最悪な結果が待っているかもしれません。

雑感

客商売の場合は大至急パイセンはクレーマーとして対応したりで大変なようですね。下手な対応するとクレームが入って今度は上司から「大至急!」と依頼されたりするようで、本当に大変そうです。


大至急という言葉を口にすればする程、自分の無能さを強める結果になります。いつも「大至急!」と言ってしまうと、周りから「あいついつも急いでんな」という評判が広まるので、「はいはい急ぐ急ぐwww」等と徐々に雑な対応されるようになり、狼少年のような状態になります。終いには本当に急ぐ必要に迫られた時に「大至急!」と依頼しても「大至急パイセンが急いでいらっしゃいまーすwwwプププwww」と相手にされなくなり、破滅するしかない状況に愕然とするかもしれません。

このように「大至急」という言葉は「悪」や「マイナス」のイメージを連想させるので周りへの心証も非常に悪く、周りからの評価を下げたり孤立したりする事は必至です。まさに百害あって一利なしなのが「大至急」なのです。

大至急と思わず言ってしまう場合はまず「何故大至急なのか」を考え、大至急にならないために状況を整理したり、逆算してスケジュールを検討したり、急ぎタスクが発生しそうかどうかを事前に検討して動くようにすると、徐々に「大至急」の理由がなくなっていき、最後には言わなくなります。その頃には無能から有能にクラスチェンジしている可能性が高いので、きっと周りからの信頼も勝ち取り、狼少年ではなくなっているはずです。