職場でやたら頑固な人っていませんか?そういう素直でない人がどういう末路を辿っていくかの一部始終を見てしまいました。
昔社内にいた某氏は年齢35〜40歳、非常に頭が固くプライドが高く、スキルが非常に低く、皆から煙たがられていました。
彼の最大の問題は「素直でない」事です。
素直でないとどうなるか
彼は素直でなく、他人が言った言葉を真っ直ぐ受け取らず、ただ「うんうん」と言うのみで、実は全く話を聞いていません。
他人の言葉やフォローを素直に受け取らないと以下のような負のスパイラルに陥ります。
非効率
例えば彼が「こういうやり方で進める」と言うのですが、明らかに非効率なので周りの人がそれをフォローすべく「こうやった方が楽で早く終わりますよ」と伝えると「うんうん」と答える。しかし実際は全く聞く耳を持っていません。
自分のやり方よりもずっと効率のいい方法をわざわざ教えてくれるのに無視し、非効率を続ける。敢えてクモの糸を手放す事によって効率化への道を自分で遮断してしまいます。
この非効率は当然周りに伝わるので、煙たがられます。
スキルアップが皆無
そもそもスキルアップというのは、凡人の場合は99%は先人の知恵や他人の知恵を吸収する事によって、自分のスキルが磨かれるものだと私は思っています。残りの1%は所謂天才による前人未到の凄い方法で能力を上げていくようなものでしょうか。
仕事が遅い
効率化ができないわけですから、当然仕事を終わらせるスピードは変わりません。
例えば、普通は2ヶ月程度仕事を経験すると、徐々にどうすれば効率よく進められるかが解ってきて、徐々に仕事をこなす速度が上がります。効率化ができない場合、これがありません。常に一定スピードです。もしこのスピードが遅かったらどうでしょう。遅いスピードが速くなる事が無いので周りがアレ?と思ってしまう訳です。それに気づいた周りは当然煙たがります。
周りからちょっと頭がおかしい人扱いされる
何を言っても「うんうん」と答えるのが周りにバレてしまい、皆「この人に何を言ってもちゃんと聞いてくれない。聞いてくれないからちゃんと要件が伝わらず、見当外れな事ばかりされて困る」というのが広まります。場合によっては「◯◯さんはちょっと頭がおかしいかもしれない」という風評が広がったりします。
オペレーションミスで本番環境のサービスを停止させてしまった、等のミスと次元が違う話なので、彼がするミスは無闇矢鱈に非難され叩かれます。うっかりミス等ではなく、人の言うことを無視するが故に起こしたミスなので、非難轟々です。周りは当然煙たがります。
周りのスピードについていけず当人は苦しむ
効率化への道を自ら遮断して仕事を進めているので当然仕事の完了スピードが周りより圧倒的に遅い。周りのスケジュール感と当人のスケジュール感に5〜10倍程度差がつく事が多いので、当人は恐らく「え!?そんなスピードで終わりませんよ!!」となるわけです。
しかし周りからすると「なんでそんな時間かかるんですか?あなたが何故そんな時間をかけているのか私達は理解できません。」となってしまいます。「どの辺に時間がかかっているのか知りたいので、具体的にどう進めているのか教えて下さい」と聞いて問題点を探るのですが「あれ?それ昨日も先週もこうした方が早いって言いませんでしたっけ」と気づくのですが「うんうん」と当人は言います。それを今日も明日も明後日も繰り返す。
当然スケジュールに間に合わないので、長時間残業する羽目になります。長時間残業と周りとのスピード差に悩まされ、彼は勝手に疲弊して周りからの評価を極限まで低下させていきます。
負のスパイラルが極限に達すると「体調が悪いので中々仕事が捗りません」といった新たな言い訳が吹き出していき、更に周りへの不信感を強めてしまいます。
終着点はフェードアウト
負のスパイラルを乗りきれない場合は、散々な低評価を残して途中退場してフェードアウト。
負のスパイラルを非効率なまま乗り切っても、結局次の仕事への参加の声がかからないので、フェードアウト。
結局フェードアウト以外の道は残されません。
周りの人も「なんか自分から無理ゲー始めて、勝手に疲弊して、不満ぶちまけて、自然にフェードアウトしていった」という感想しか残りません。
どうでしょうか。素直に他人の言葉を聞かないと、これだけ酷い事が起こります。周りからすると「人の言うことを聞かないのだから完全に自業自得」という評価が下されます。
何故素直になれないのか
年齢
当人より周りの人の方が年齢が低い場合、威厳等を見せたいが故、人の言う事を聞かなくなり、素直になれない場合があります。
大体凡人が使う威厳という言葉は「他人に凄いと思われたい、頼りになる人と思われたい、いい格好がしたい」事で、結局恥をかきたくないだけだと私は思っています。これは仕事では完全に逆効果です。「人の言うことを聞かない、いつまでもスキルアップしない、子供のような頑固者」というレッテルが貼られるだけです。
周りが言っている事が理解できない事を知られたくない
これも威厳と同じですね。
「こんな事も知らない自分を周りに知られたくない」だから「うんうん」と頷いて知っている感を漂わせる可能性があります。
日本には「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」ということわざがあります。一時の恥をかきたくないが故、一生を恥じて生きていくのです。
雑感
結局のところ恥をかきたくない事への自己防衛によって、これらの問題が引き起こされているのかもしれませんね。
IT業界の場合は技術革新が異常な程速いので、自分より若い方の方が最新のやり方を知っている場合が多いので、どんどん若手に聞いてしまえばいいと思います。
私は聞くことによって感じる恥よりも、スキルアップしない事の方が恥だと感じるので、ちょっと頑固者の気持ちは解りません。むしろ新人や若手に技術を教えて貰う事によって、彼らの自信に繋がったり、彼らが技術を説明するという行為の難しさに気づいたりして、良いこと尽くめなんじゃないかとすら思います。
聞くことで感じる恥よりも、聞いた事で知識が得られた事に喜びを感じる方がプラス思考になるし、いい方向に物事が進み易いんじゃないでしょうか。
よくテレビでやっているような「頑固店主による絶品ラーメン!」みたいなのは、あれは店主の技術が優れているから許されるのであって、何の技術も持たない凡人が頑固でも「この人頭おかしい」の一言で一蹴されます。そこを勘違いして頑固を気取る人は頭がおかしい系です。
こうして考えてみると、頑固である事のメリットって一切無いんじゃないかと思います。素直になればなる程、自分もスキルアップし、他人から「この人は自分の言う事を聞こうとしてくれる」という信頼を得たりして良い事が増えるので、可能な限り素直でいたいものです。
世の中にはその素直さにつけこもうとする卑劣な人もいるので、「聞きに行っていい人かどうか」も気をつけていきたいですね。